なにこれ
60%サイズになる予定だったポプコンを自作しました。
3月中旬からちまちまと作り始めて、完成したのが4月16日なので大体1か月かかってますが、基本的にゲーセンに行ってて製作時間は短いです。
2月にこんな記事(↓)を書いたことの答え合わせみたいなところはある。
sha10n.hatenablog.com
記事のオチ
どうせガワを木材にしてコントローラ自作するんだったら、アーケードサイズで作ってもどっちつかずの中間サイズで作っても値段たいして変わらないからアーケードサイズで作るべきだった。
60%サイズのコントローラを作成した経緯
PS2のポップンを以前から持ってたことと、FMCBを導入したことと、DDRコントローラを改造したかったことが組み合わさって製作が始まりました。
PS2のポップンは持ってたという話
まあ、要するに新たに買う必要が無かったから作ってもいいかなって思っただけの動機です。
以前からPS2のポップンミュージックと初期のちっちゃい家庭用コントローラは持っていました。
この小さなコントローラは手を思いっきり広げると小指と親指で両端の白が押せてしまうようなコントローラであり、ついうっかりアーケード筐体では出来ない取り方をしてしまうというプレー感覚の違いがありました。
また、ボタンのストロークも浅いしアーケードと違って膨らみがないので手のひらで押すようなことも出来ず、どうしても「スクラッチが無くて9個のボタンのIIDX」みたいなプレーになってしまう。
なので、持ってはいるけどあんまり遊ばないものになってました。
FMCBを導入した話
そもそもPS2自体がディスクを入れ替えるのが面倒で最近はあんまり起動をしていませんでしたが、FMCBとMX4SIOを用いることでディスクレス起動が出来るようになりました。
(両者については説明が面倒なので、とにかく「SDカードに入れた手持ちのデータからPS2ソフトを起動できるアイテム」とだけ思っておいてください)
そのため家にあるPS2ソフトを片っ端からSDカードに取り込んでいきました。
ポップンも一応入れるだけ入れておくかとは思って入れておきましたが、この時はまだコントローラ自作については考えていませんでした。
ただ「ポップンをいつでも起動できる」という選択肢はここで出てきました。
DDRコントローラの改造の話
私は今ポップンステージのステージ部分片側を改造したDDRコントローラを所有しています。
上下左右はもちろん、右上と左上にもセンサーを配置できるようにしており、ほぼ使っていませんがPIU用に真ん中と左下と右下にもセンサーを配置できるようにしています。
元々はPCで使うことを考えてreviveUSBを使っていましたが、現在はPS2実機でも使えるように途中で配線を分岐してPSのDDRコントローラ基板にもつながっています。
現在はPS2で家庭用の旧作DDRばっかりやっていますが、どうせなら色んなソフトを遊びたい。
足でクラッシュバンディクーとかDDR以外のソフトも遊びたいと考えていました。
しかし、国内DDRコントローラに□ボタンと△ボタン、LRボタン各種はありません。
端子からして存在しません。
なので、2023年10月20日にPS1コントローラを中古で買いました。
当初の計画では「手で持っても使えるし、パネルを踏んでも使える」ようにしたかったので次のような改造をするつもりでした。
- 中の基板にメス端子のついたケーブルをはんだ付けする
- ガワの一部分には穴をあけてそこからケーブルを穴から通してからコントローラを組みなおす
- ケーブルのメス端子にはパネルからの入力を繋ぐ
ただ、買ったコントローラが茶ばんでいるのは店舗で見ても分かりましたが、いざ家で袋を開けてみると超絶ヤニ臭いという問題があったりして、コントローラを洗ってみたり、漂白してみたりいろいろやりました。
はんだ付けをするという段階になって、思ったよりはんだを載せる面積が狭いこととか、私がはんだ付けメチャクチャ苦手とか、コントローラのガワに穴をあけるったってプラスチックに穴をあけるような道具持ってないとか色々な問題がありまして3か月放置されました。
そんなおり、以前にボタンが2個多いbeatmania風ポップンコントローラ(という名の実質DJMAX Respect兼ハンドPump用コントローラ)を作成していただいたEnter氏が『CY-3103』という基板を使用しているのを目にしました。
https://ja.aliexpress.com/item/32622967167.html
これを使えばはんだ付けなんてしなくてもいいし、適当なスイッチを繋げばパネルに繋がってないボタンを押したことにすることも出来ます。
アリエクでの買い物なんて何があるのか分からないので、とりあえず2個買いました。
(そして案の定1個はピンが1個曲がっていました。ピンセットを使って力ずくで直せたけど)
1個はDDRコントローラ用に使用して、1個は予備として余らせていました。
60%サイズで作ろうと思った理由
ここまで来て「PS2のポップンが起動できる環境」と「ポップンのコントローラを作れる基板」が家にある状態になりました。
加えてEnter氏によるガワが木製のコントローラが家にあることと、アリエクでの安いボタンを見ていたことで「頑張れば自分にもコントローラは作れるのではないか?」と考えてしまいました。
同じようにガワは木製とすることで安価に抑えられると思ったのです。
何度も名前を出して申し訳ないのですが、Enter氏のポプコンの記事においてアリエクではアーケードボタンと称して直径100mmのボタンと60mmのボタンと似たような画像で売られていることを目にしました。
note.com
「ポップンで使われているのは100mmのものなので間違えずに100mmのものを買いましょう」って注意書きだったのですが、アーケードサイズは置いておくとデカくて邪魔になるだろうと思った私は60mmのボタンで作ればいいのではないかと思いました。
ボタンの直径が60%になったとしてもボタン同士の距離まで60%にする必要はなく、50%とか40%とか詰めてもよいかと思いましたが、どうも60%の10cm(※)で作ると白と赤がギリギリ届くぐらいの距離になることが分かりました。
あまり距離を詰めても公式ポプコンの二の舞になりそうです。
よってサイズは60%とすることにしました。
製作工程
用意したもの
- 天面と底面用のMDF材(100円ショップで購入。天面のものは200円)
- 幅60cm、奥行き30cmのものを買いました。ただ、これは明らかに失敗しているので小さい物を買うべき。
- 幅90mmの長い木の板をホームセンターで買い、加工室でちょうどいいサイズにカットしてもらったもの。
- 2枚購入しました。
- インパクトドライバー
- インパクトドライバー用のドリル
- インパクトドライバー用の自在キリ
- ネジ
- ボンド
- CY-3103(基板)
- ボタン(9個のボタン用。セットのマイクロスイッチ等を含む)
- ちっちゃいボタン(START、SELECTボタン用)
- 基板とボタンを繋ぐケーブル
- 60%サイズだと端の方が付属のケーブルだと届かなくなってしまうため
- ビニールテープ
- 接点の保護用なので熱収縮チューブ使う方がよいけど、ヒートガンがないので
通常あんまり要らないけど個人的に用意したもの
製作工程
- 側面用に加工してもらった木材をボンドでくっつけ枠組みにする。
- ボンドが乾くのを待っている間、天面に自在キリで9個穴をあける。
- START、SELECTボタン用の小さい穴をドリルで開ける
- 私の場合、左、下、右ボタン用の穴と、切り替えスイッチ用の穴も開けている
- 自在キリであけた穴の上か下に、ボタン固定用の切れ込みを入れておく。
- 枠のボンドが乾いたらネジ止めしておく
- 枠の一部分を削って基板から伸ばすPS2・USB端子のケーブルが通る穴をあけておく
- 天面にあけた穴に各種ボタンを差し込む
- ボタンにマイクロスイッチを取り付ける
- 基板とスイッチを配線する
- この段階で接続のチェックを行う
- 天面と底面をネジで固定する
私が工作スキルが無いので、実質的なやらなきゃいけない加工らしい加工は自在キリによる穴あけのみ。
ボンドで木をくっつけたり、それをネジでちゃんと固定したりするのは流石に小学生でも出来そうです。
配線も正しいところに繋ぐだけ。
LEDを光らせるのは配線が面倒くさそうだったので最低限の配線のみ。
線と線を繋いだところにはビニールテープを巻いて処置。
製作費用
製品 | 価格 | 備考 |
CY-3103 | 2200円 | 送料込みの概算値 |
アーケードボタン(60mm) | 2700円 | 10個セット |
瞬間押しボタンスイッチ | 900円 | Amazonで購入。6色24個セット |
天面用MDF材 | 200円 | |
底面用MDF材 | 100円 | |
側面用木材 | 900円 | DCM 桐集積材 13*90*910mmを2枚+カットサービス2回 |
ボンド | 100円 | |
ビニールテープ | 100円 | |
ネジ | 600円 | 側面には4本、底面と天面にそれぞれ4本使用 |
自在キリ | 3000円 | |
ケーブル | 400円 | たぶん |
圧着工具 | 1700円 | |
圧着端子 | 700円 |
合計:13600円
作ってみた感想
PS1コントローラへのはんだ付けから逃げまくった結果だから当然ではあるのですが、CY-3103と既製品のボタンを使うだけで簡単にコントローラが作れました。
よくよく考えてみると自分で作ったのはボタンを取り付けるためのガワだけですね。
ロクに大したことはやってないのに、ちゃんとコントローラが動作したという満足感もあって楽しかったです。
大きさ次第では夏休みの工作にも出来そう。
作った後の反省
思ったより小さくならなかった
原因は2つ。
天面・底面用MDF材が大きすぎた
ボタンの大きさを基準にサイズを決めたので60%くらいのサイズのコントローラ。
そうなるはずだったんですが、60cm*30cmなんてデカいMDF材を使ってしまったせいでそんなに小さくなっていません。
今のアケコンのサイズは730*343*71だそうなので、幅は80%で奥行きは87%、厚さに至っては127%。
体積比では91.1%。ダメじゃん。
これはシンプルに植木算を間違えたのが原因で、横に並ぶボタン同士の幅は10cmにする予定でした。
下段はボタンを5個並べるので必要な長さは「50cm+ボタンの大きさ」……ではなく、「40cm+ボタンの大きさ」ですね。
50cmで足りないと思ってワンサイズ大きくしてしまったのが敗因でした。
ちゃんと設計図とか書いてから始めましょう。
ボタン同士の間隔も60%(※)にしてしまった
「あまり距離を詰めても公式ポプコンの二の舞になりそう」として、アーケードでも頑張ればギリいけなくもない片手で赤白の同時押しが出来る60%の間隔(10cm)にしました。
ただ、どうせ赤白が押せてしまうなら白緑が押せない程度にならもう少し詰めてしまってもよかったのです。
8cmまで小さくしてもよかった。
そうすると横幅は40cmでよいですし、縦幅も25cmあれば足ります。
厚さは変えるのが難しいですが、そうしていたらアケコンとは体積比で50%程度までサイズダウンができたはずです。
繰り返しになりますが設計書を書いてから始めましょう。
※ここまで「60%で10cm」と書いていますが、公式のボタン間隔は14cmなので0.6倍すると8.4cmとなります。
なんか途中から16cmと勘違いしており「9.6cmならキリよく10cmでええやろ!」としていました。
なんなら記事書いてる途中までずっと16cmだと思ってました。
お前の制作ガバガバじゃねえかよぉ!
なぜみんなアーケードサイズのコントローラか小型の持ち運び用コントローラを作るのか
各サイズのメリットとデメリットを書いていきます。
小型
メリット
- 構造上静かになりやすい
- ボタンも比較的安い
デメリット
- プレー感覚が違い過ぎる
アーケードサイズ(大型)
メリット
- プレー感覚が本物と変わらない
デメリット
- ボタンが高いので値段が高くなりがち
- 構造上うるさい
中間サイズ
メリット
null
デメリット
- ボタンの値段に比べたらガワの値段なんて誤差なので、値段がほぼアーケードサイズと変わらない。
- 構造上うるさい
- 小型ほど大きく離れてないとはいえ、プレー感覚はアーケードとは異なる
うん。そりゃあ誰も中間サイズでなんて作ろうと思わないわ!作ってようやく気付いたわ!
とはいっても、プレー感覚が変わることについては、私がポップンを本気でプレーするつもりがないためそこまで問題視していません。
それっぽい動きにはなるんですよ。ちょっと違うけど。
おわりに
ちゃんとポップンをやる気があって、自作をしようという気持ちもあるんだったら、おとなしくアーケードサイズで作りましょう。
ガワが木材なら値段あんまり変わんないです。
作るのが面倒ならEnter氏から買いましょう。
あと、ロクに工具もないのに軽い気持ちで作ろうとか思うのはやめましょう。